新型コロナウイルスとワクチンの新情報3

- マリヤ・クリニック・ニュース 2021.10(No.318)より -

新型コロナウイルスへの不安や関心が強いと思われますので、引き続きコロナ情報です。

1.新型コロナウイルスへの新しいワクチン開発について

a. 不活化ワクチン、組換えタンパクワクチン、ペプチドワクチンは、不活化した新型コロナウイルスの一部やウイルスの一部のタンパクを人体に投与し、それに対して免疫が出来る仕組みです。

b. メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン、DNAワクチン、ウイルスベクターワクチンは新型コロナウイルスの遺伝情報をそれぞれメッセンジャーRNA、DNAプラスミドとして、あるいは別の無害化したウイルス等に入れて、人に投与するものです。それが、人の細胞に入り、ウイルスのタンパク質を作ることによってウイルスのタンパク質に対して免疫が出来る仕組みです。

現在、国内で開発が進められているコロナワクチンは、bでは、①mRNAの第一三共と東大医科研のもの、②アンジェス、阪大、タカラバイオのDNAワクチン、③mRNAのVLPセラビューティクスのものがあります。当院としては、bの遺伝子ワクチンは勧めておりませんので、aのワクチンを紹介します。

  1. 塩野義製薬・感染研・UMNファーマ(組み換えタンパクワクチン)
    ウイルスのタンパク質(抗原)を遺伝子組み換え技術で作成して人に投与
    2021年末までに3000万人分の生産体制構築を目標
  2. KMバイオロジクス・東大医科研・感染研・基盤研(不活化ワクチン)
    不活化したウイルスを人に投与(従来型のワクチン)
    2021年内に第Ⅲ相試験を開始予定。生産体制等緊急整備事業
  3. ノババックス・武田薬品(組み換えタンパクワクチン)

国内治験は2021年2月から実施され、9月に契約がされて2022年初頭に接種開始予定。


2.ワクチンについて

A.これまでのワクチンとは

コロナワクチンに限らず、現在全てのワクチンは任意接種です。ただ、BCGやポリオなどのワクチンは一定の年齢になると接種を勧められる「定期接種ワクチン」であり、インフルエンザワクチンなどは「任意接種ワクチン」です。ワクチンには以下のものがあります。

  1. 「生ワクチン」 弱った病原体をそのまま使う。
  2. 「不活化ワクチン」 病原体は死滅して、活動しなくなったものを使う。
  3. 「トキソイドワクチン」 病原体が持っている毒素だけを無害化して使う。

これらに、「4.」遺伝子ワクチンが付け加えられたのです。

B.アジュバントとは

アジュバント(Adjuvant)は、ワクチンと一緒に投与して、その効果(免疫原性)を高めるために使用される物質のことです。生ワクチンやそれに準ずるワクチンが主として用いられていた時代にはワクチン自体が十分な効果が得られていたので、原則的にアジュバントは必要とされませんでした。しかしトキソイドワクチンや不活化ワクチンにおいては、ワクチン単独では効果が十分ではないため、アジュバントの添加が必要となります。

アジュバントには、①抗原を不溶化することで組織に長くとどめ、抗原を徐々に長期間遊離させる、②投与局所に炎症を起こし、マクロファージが集まり抗原が貪食(食作用)されやすくなり、抗原提示が効果的に行われるようにする、③投与局所や所属するリンパ節の、T細胞やB細胞の活性化を強めるなどの働きがあります。

昨今のワクチン開発は感染症という対象疾患の枠を超え、がんやアルツハイマー、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、花粉や食物のアレルギー、自己免疫疾患などの “非感染症”疾患にまで広がりを見せております。しかし、こうした“非感染性”疾患のワクチンのターゲットは免疫反応が誘導できず治療効果が低いのです。そのような場合でも強い免疫反応をおこすことができるアジュバントは、今後のワクチン・免疫療法における“鍵”になるようです。

代表的なアジュバント

  1. アルミニウム
    ワクチンと一緒に投与することで、免疫機能を発現させます。要するに、身体にとって毒ということですが、骨・骨髄・脳の変性を起こす可能性があります。
  2. 水銀
    チメロサール(下記)は、インフルエンザワクチン、日本脳炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、(破傷風ワクチン)、(ジフテリアワクチン)、などに含まれています。括弧は改良。
  3. 第二世代のアジュバント

病原体のセンサーに結合する病原体成分のリポタンパク、リポ多糖、鞭毛、核酸などが開発されています。最近では、目的の場所・細胞に認識できるようドラッグデリバリーシステム(DDS)技術を取り入れたアジュバント物質の開発も盛んです。細胞に似たリン脂質成分からなる微小カプセル(リボソーム)やナノ粒子などの表面上や粒子内にアジュバントを付与することで、より効率的かつ安全に免疫反応を起こすことが可能となります。

などと、説明されていますが、要するにアジュバントは危険だったということです。

※インフルエンザワクチンの殺菌・防腐剤としてのチメロサール(エチル水銀チオサリチル酸ナトリウム)は、人体には悪影響を与えないとされていますが、実際には過敏症を起こす方もおり、子供たちへの接種の安全性は懸念されています。チメロサールなどに含まれている水銀や重金属と発達障害の因果性について指摘する文献も多くあります。当院では、1回接種用シリンジに入った、チメロサール非含有のインフルエンザワクチンをなるべく多く仕入れていますが、数に限りがあります。ご注意ください。

C.遺伝子ワクチンの特性

ワクチンのmRNA(スパイクタンパク質形成指示体)がヒト細胞と融合し、細胞の中のリボソームに進みます。リボソームは、mRNAの情報によってタンパク質を作り、このタンパク質が細胞から漏出して、ウイルスと同じようなスパイクを形成します。免疫系は、スパイクタンパク質を認識すると、それに反応して抗体を生成します。

この遺伝子ワクチンにはアジュバントがありません。つまり、形成されるスパイクタンパク質自体に、免疫を刺激する強い作用があるということです。

D.遺伝子組み換えタンパクワクチンとは

遺伝子組換えタンパクワクチンは、ウイルスの遺伝子情報から目的とする抗原タンパクを発現・精製後に、アジュバント(ワクチンの効果を高める物質)を添加して投与されます。遺伝子情報そのものを投与し、体内にて抗原タンパクを合成させるmRNAワクチン等の新規技術と比べて、抗原発現や精製に一定の開発期間を要する一方で、BEVS(Baculovirus Expression Vector System:昆虫細胞などを用いたタンパク発現技術)を活用したインフルエンザ予防ワクチンをはじめ、複数の製品がその効果と安全性を基に承認・実用化されている確立された技術です。

E.経鼻ワクチンとは

経鼻ワクチンの特徴としては、従来の注射による痛みがなく、感染部位である呼吸器粘膜ならびに全身に対して効果的に免疫を誘導することができ、高度な医療体制や医療従事者による投与を必ずしも必要としないという点が挙げられます。そのため、医療環境が整っていない地域においても使いやすい製剤となることが期待されます。


3.新型コロナウイルスに対する栄養医学の治療法

A.高濃度ビタミンⅭの点滴

新型コロナウイルス感染症の重症者では、ビタミンCの血中濃度が低下することを報告する論文が発表されています。これは、新型コロナウイルスによって引き起こされる炎症反応に対し、体内で大量のビタミンCが必要とされていることを表します。ビタミンCは新型コロナウイルス感染症に対する効果的かつ安価な補完治療のひとつとして期待されていますが、日本をはじめ世界中の多くの国では、新型コロナウイルス感染症におけるビタミンC補給の有用性が公的に認められていません。そのような中、英国の特定非営利活動法人ANH(Alliance for Natural Health:ナチュラルヘルス同盟)が‘VITAMIN C for COVID(コロナウイルスにビタミンCを)’という署名運動を行っています。マリヤ・クリニックもこの運動に賛同しています。

B.ビタミンCと免疫

ビタミンCは免疫細胞の活性を高めます。例えば、好中球やマクロファージの貪食能を高めたり、リンパ球の一種でウイルスなどを殺傷する機能を持つNK(ナチュラルキラー)細胞やキラーT細胞を活性化したりする他、抗体の産生にも必要です。

また、免疫細胞が病原体を死滅させる際には活性酸素が生じます。活性酸素は好中球やマクロファージといった食細胞が病原菌を殺菌するためにも必要なのですが、増えすぎると免疫細胞を含め私たち自身の細胞や組織にもダメージを与えてしまいます。ビタミンCにはこの活性酸素を処理する力(抗酸化作用)があります。つまり、免疫細胞を活性化させるだけでなく、免疫細胞が病原菌と戦う場にビタミンCなどの抗酸化物質が豊富にあれば、活性酸素のダメージから自身の組織や細胞を守ることができ、免疫細胞の活性低下も防ぐことができるのです。

ビタミンCは、炎症性サイトカインの過剰な産生を防ぎ、炎症反応の進行を抑制するためにも働くため、風邪を引いているときや炎症が起こっているときにはタンパク質やビタミンCの消費量が増大するのです。

C.タンパク質と免疫

免疫細胞の主体は白血球で、マクロファージ、好中球、リンパ球などから構成されています。マクロファージや好中球は、細菌・真菌・ウイルスを処理します。リンパ球は、主にウイルスなどの微小な病原体を処理します。これらの免疫細胞の主な材料となるのがタンパク質です。また、タンパク質は20種類のアミノ酸が鎖状につながったものですが、アミノ酸自体にも免疫と深い関わりがあります。例えば、グルタミンというアミノ酸はリンパ球、好中球、マクロファージといった免疫担当細胞のエネルギー源となることで、免疫能の維持に欠かせません。さらに、免疫細胞の60%が腸に存在すると言われていますが、グルタミンはその腸の粘膜細胞のエネルギー源となり、免疫系の最前線で働く腸の腸管バリア機能を維持するためにも必須のアミノ酸です。また、アルギニンというアミノ酸は殺菌効果を担うNO(一酸化窒素)を生成し免疫細胞がウイルスや病原菌を攻撃する力を強めます。

D.鉄と亜鉛

新型コロナウイルスの症状の一つが血中酸素濃度の低下です。鉄が不足すると赤血球(ヘモグロビン)が減少し、全身に十分な酸素が行きわたらなくなり、脳を含め全身に様々な症状が現れやすくなります。また、亜鉛はDNAやタンパク質の合成に関わり、細胞を作るために欠かせないことから、消化管粘膜や皮膚など細胞分裂の盛んな組織には特に重要なミネラルです。鉄も亜鉛も身体が正常に機能するために欠かせないミネラルです。

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