老いを楽しみ、老いに負けない

-マリヤ・クリニックニュース 2022.3(No.323)より -

オミクロン株の感染が爆発しています。2月は当院の検査でも陽性率がかなり高かったです。コロナ感染の疑いがある方の検査の為に一階裏に特別検査室を設けました。車で来られた方には車内で検査もしています。発熱外来を含めて午後の2時間限定です。他の方への感染防止の為に、ご協力ください。一階表の一般待合室には、熱のある方や感染症の疑いのある方は決して入らないでください。病気を持った身体の弱い方が来ているので、注意してください。オンライン診察や電話診察も増えています。

コロナ感染で死亡者は殆ど高齢者であるということも、免疫力の問題だと思います。普段元気でいても、身体にも余力や貯えがないと病気や感染の時の回復力が足りません。ゴルフをして最後の方になると疲れ切ってしまうのは、体力が落ちている時です。夫婦でゴルフをするとお互いの健康度がチェックできます。身体が弱くなって労わることも大事ですが、たまには負荷を掛けないと、更に弱くなってしまいます。

ところが、身体が頑健に見えても、免疫力がない人もおります。免疫力と体力を混同しているようです。食生活が悪く、生活が乱雑な人が感染したら、かなり症状が悪くなりました。楽しむことも良いけれども、身体に適切に栄養を与えないで無理をすると、ひどいしっぺ返しを受けます。

高齢者の身体は少しずつ衰えてきます。その兆しは、しわ、シミ、髪の毛、筋肉量、足腰や関節の強さ、歯、内臓や消化力などに現れてきます。失礼ながら、それを受け入れると加齢に負けてきます。歳を取って、病気や障害を持つと、回復は困難になります。精神的にも弱くなります。8年前、身体が弱くなり、引退を考えましたが、そうもいかないと決心して体力強化と免疫力強化を図りました。体組成計で筋肉や脂肪など身体をチェックし、血液検査で健康度を調べます。栄養確保は、歳を取ると食事だけでは無理だと気が付き、サプリメントが増えました。摂り忘れると、膝が悪くなったり、身体が凝ったり、身体が重くなったりして、慌てて補給します。アップルウォッチで運動量をチェックし、管理します。美食に溺れたり、粗食に甘んじると、直ぐに身体に変化があります。その変化に気が付かなくなったら、回復ができなくなると自らを戒めています。長湯に浸かりながらの読書も味わい深いものです。若い時にはあり得なかった身体への労りが、自らへの慈しみと愛着を感じます。老いを楽しみ、老いに負けまいと意地を張っています。

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