新型コロナウイルスの現状

- マリヤ・クリニック・ニュース 2020.11(No.307)より -

MCニュース7月号と8月号で新型コロナウイルスについてまとめましたが、感染は世界的に広まり増えています。検査や薬そしてワクチンが開発されつつあり、皆さんも多くの関心があるようなので、今月も新たな情報とマリヤ・クリニックの対策をお伝えします。

1. 新型コロナウイルス感染に対する措置

国立国際感染症センターの忽那賢志医師の個人サイトに以下のような表があります。

これまでのコロナウイルスと違うところは、感染者が著しく多いということにつきます。致死率はそれほど高いわけではないのですが、感染者が多いので結局のところ死んでしまう人が多くなるのです。SARSやMERSが収束し抑えられたのは、重症化するので隔離や対処ができるのですが、新型コロナウイルスの特徴は感染していても症状が現れない、自覚できないという感染者が多く存在することによって却って感染が広まってしまうということです。そういう面でSARSとMERSは二類感染症だったのに、新型コロナウイルスは指定感染症となっています。
厚労省健康局結核感染症課のサイトには「感染症の範囲及び類型について」の表があります。二類感染症と指定感染症の違いは、三類相当の就業制限や入院措置などができることとそれが時限的な措置であることです。二類にはない措置も新たに追加されています

指定感染症であるために個人の権利を制限することができ、患者(症状がありウイルスが検出されている人)だけでなく、疑似症患者(ウイルスは検出されていないが症状のある人)、無症状病原体保有者(ウイルスは検出されているが症状がない方)のいずれも、設備が整えられている感染症指定医療機関(特定、第一種、第二種)に原則入院する対応が取られています。行政による勧告での入院なので、医療費の自己負担はかかりません。 また、症状のない濃厚接触者(家族など)に対しても、外出せず、自宅での健康状態を報告することが求められ、都道府県知事には、食事や物品の提供などを行う努力義務が課せられています。しかし、その後、無症状病原体保有者や軽症患者は、必ずしも入院勧告の対象とならず、宿泊施設等での安静・療養を行うというオプションも加えられました。さらに、臨時応急的な措置として自宅療養も認められました

2.新型コロナウイルス感染による症状

新型コロナウイルス感染症の初期症状は風邪やインフルエンザと似ています。風邪は、微熱を含む発熱、鼻水、鼻詰まり、ノドの痛み、咳などの症状がみられることが多く、またインフルエンザも風邪と似ていますが、風邪に比べると高熱が出ることが多く、頭痛や全身の関節痛・筋肉痛を伴うことがあります。風邪やインフルエンザが新型コロナのように1週間以上続くことは比較的稀ですが、咳や痰の症状だけが2週間程度残ることはよくあります。

新型コロナウイルス感染症の潜伏期間は1日から14日と幅がありますが、多くの人が4~5日で発症し、微熱を含む発熱、咳、ノドの痛みなどの症状が出現します。その他にも頭痛、だるさ、関節痛・筋肉痛などの症状がみられることがあります。このように、新型コロナウイルス感染症は風邪やインフルエンザによく似ていますが、症状が続く期間がそれらと比べて長いという特徴があります。2割ほどの重症化する事例では、発症から1週間前後で肺炎の症状(咳・痰・呼吸困難など)が強くなってくることが分かってきました。

もう一つの特徴として、嗅覚障害・味覚障害を訴える患者さんが多いこともあります。特に若年者、女性ではこれらの症状がみられる頻度が高いようです。但し、ただの風邪や副鼻腔炎、花粉症が原因で嗅覚障害・味覚障害が起きることもあるので、嗅覚障害・味覚障害=新型コロナというわけではありませんが、だらだらと続く風邪症状に加えてこれらの症状があれば新型コロナの可能性は高くなるでしょう。持病のある人や高齢者は重症に至ることがあります。肺疾患や糖尿病の方は特に注意して下さい。

3.マリヤ・クリニックの新型コロナウイルス感染対策

マリヤ・クリニックの感染対策は以下のようなものです。

A.院内での感染予防

待合室のソーシャルディスタンス

  • 待合室を分けています。風邪などの感染症状の患者さんと、予防接種や慢性疾患などの患者さんとの待合室及び診察室を分けております。
  • 各待合室での椅子の間隔を開け、なるべく座席を指定して使って頂く事で患者さん同士の接触を減らしております。

非接触型体温計

  • 受付時に、風邪症状以外の患者さんも含め全員に非接触型体温計で体温を確認しています。

手指アルコール消毒の設置

  • 各部屋の入り口に手指アルコールを設置し、各自消毒をお願いしております

飛沫防止対策

  • 受付や診察室にはパーテーションを設置しております。
  • 職員は全員マスクを装着し、必要に応じてフェイスシールドの装着をして対応しております。
  • 全員の患者さんへもマスクの装着をお願いしております。

循環式紫外線空気清浄機

  • 待合室・診察室・保育室など各部屋に除菌機能がある空気清浄機を数台設置しております。

備品等の消毒清掃

  • 患者さんやノアでの利用者さんが接触したドアノブ・椅子・体温計・おもちゃ・ペン・小銭等は、30分おきや利用毎にアルコール除菌で消毒清掃を行なっております

B.その他の感染予防

予約診療

  • 事前に予約をして来院をしていただく事で混雑を避け、少しでも待ち時間を少なくできるようご案内しております。ホームページ、受付、電話で60日前から予約できます。詳細はHPに。

Web問診

  • ご来院前に事前に問診をWEB上で記入していただきますと受付がスムーズとなります。予約診療と併せて是非ご利用ください。

オンライン診療

  • スマートフォンやPCなどのインターネット通信を活用し、医師が遠隔地にいる患者に対して画面を通して診察する医療サービスです。現在、新型コロナウイルス感染症流行拡大に伴う一時的な特別措置により、制限が大幅に緩和されています。詳細はHPをご覧ください。

電話再診

  • コロナウイルスの流行に伴い、新規の患者さんを含め、電話診察で処方せんを発行出来る事になりました。

C.新型コロナウイルス抗体検査

新型コロナウイルス抗体検査【IgM、IgG】(自費)を行っています。 血液検査で、これまでに新型コロナウイルスに罹患したかどうかがわかります。ご希望の方は、受付にお伝え下さい。なるべく、当院ホームページ又はお電話にてご予約をお取り下さい。ウイルス感染症検査ではIgMとIgGを測定します。一般的にIgM抗体が感染初期に増えるのに対し、IgGは数日から1週間ほど遅れて増えるという特長があります。そのためIgMとIgGを同時に検査することで「感染の履歴」を調べるとともに、陽性になった時には感染からどのくらいの日数が経過したかを予測することができます。

症状により感染の疑いのある人には、唾液による抗原検査も行い、保健所に提出しています。結果は、2,3日掛かります。詳細はホームページに。



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