高名の木登り

- マリヤ・クリニック・ニュース 2022.1(No.321)より -

新年あけましておめでとうございます。改めて、その言葉を記してみると、無事に新年を迎えられた喜びを祝い合うということでしょうか。コロナに明け暮れた昨年を思い返すと、その感を強く抱きます。

「高名の木登り」という徒然草の話を思います。弟子に高い木の梢を切らせた時に、低い所になって「注意しなさい。」と声を掛けるので、その理由を問います。師匠は、高い所では自分でも怖いので用心するけれど、低い所で油断して怪我をすることが多いので声を掛けた、との話です。

「死亡率○○%と低いので、それほど怖くない。」などと報道されることに呆れます。本人や家族にとっては、死ぬということは大変なことなのに統計的に捉えられて「少ない。」という言葉は何たることかとマスコミに出る医師や専門家に対して腹が立つ思いです。

政府や医師会は異口同音に「ワクチン接種」と言いますが、もはやオミクロン株には効果がなく感染しているという報告もあります。それなのに接種を勧めるのは賄賂をもらっているのでは、と疑いを持ちたくもなります。ワクチン製造のモデルナ社は2010年創業のベンチャー企業で、山中教授のiPS細胞の研究を知ってワクチン開発などを特化して巨大企業になったわけです。かたや伝統的な研究開発を続けている日本の製薬会社は経営的にも厳しくなっているようです。

高名の木登りは、安全だと思っている時が危ない、と教えてくれます。日本の新型コロナ感染者が落ち着いている理由は、ワクチン接種というよりも個々の人々の用心深さと配慮にあると思っています。ただ、コロナ慣れにより感染に対する用心の思いが薄れることを危惧しています。免疫力についてまとめ直してみました。私には、新型コロナ対策を十分にした生活と身体づくりをするならば、かえって健康で長生きができるのではないかと思わせられます。院長が大腸がんの手術をして3年になりますが、術後の注意により以前よりもはるかに健康になりました。そして、生きることへの注意深さを感じます。歳を取ると夫婦の相互依存は強くなります。私も妻がいなかったらと、身震いをするほど怖くなり、優しくなっています。労わり合うことは、こんなに幸せで充実したものかと、わかってきました。将来のことを話し合うことも多くなっております。院長は、このクリニックでの診療が生き甲斐であると言っています。神に仕え、人に仕え、仲良く平和に暮らせれば、楽しい老いの生活になります。

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